先日、医院見学に来られた若い先生がいました。
その先生も私と同じ3代目で、現在はお父様と一緒に医院をされているとのことでした。
2年前に院長職を引き継ぎした際に、当時のスタッフの一人以外が全員退職されたのでした。
しかし、その一人が自分から「私は辞めません。そしてチーフスタッフになることを目指し、先生と医院をつくっていきます」と宣言されたのでした。(素晴らしいスタッフですよね。こんなことを言ってくれるスタッフがいることが、成功開業医のための序章となります。
また、この先生の人間性がすばらしいことも、このエピソードから予測できます)
今回はそのチーフスタッフと一緒にゆたに歯科にこられました。
歯科医院継承の中でも、現役であるお父様と一緒に医院を運営するという難しいケースですが、温和で真面目な先生なので、先生とお父様、先生とスタッフの関係は、うまくいってそうでした。
それでも悩みはいろいろあるもので、悩み相談をうけていたところ、「スタッフ同士の一体感がない」「もっと一体感のあるチームにしたい」という願望がありました。
そこで「先生は今後医院をどのようにされたいのですか?」とたずねたところ
「実は自分が今後どんな医院にしたいのかが、まだ明確ではないのです」と言われました。
チームというものは、達成すべき目標や目的があってはじめて形成されます。
チームワークが発揮されるのはそのプロセスにあります。
残念ながら達成すべき目的・目標がなければそれはチームではなく、ただの仕事上の集団や仲良しグループにしかなりません。チームワークを発揮したくても、発揮しようがないわけです。
さらに話しを聞いていると
「今の態勢はスタッフの人数がカツカツで、さらにスタッフも病気で休む事が多く、患者さんに迷惑がかかったり、他のスタッフの負担になっている。それを改善したくて、スタッフの人数を増やしたい。」「そのためには、新患数と自費を増やしたい」とのことでした。
なるほど、そこは明確なようでした。
であれば、目標は「新患数と自費を皆で増やす」です。
そして目的は「スタッフを増やすため」です
ではスタッフを増やすのはなんのためでしょうか?
・「患者さんに迷惑のかからないようにするため」
・「他のスタッフに負担のかからないようようにするため」
・「病気のときに、今よりは気兼ねなく休めるようにするため」
などですね
これをスタッフの皆に伝えなければなりません。
そして協力を得るためには、その伝え方や伝える順番が大切です
「病気のときに、今よりは気兼ねなく休めるようにするため」はスタッフのため
「患者さんに迷惑がかからないようにするため」は患者さんのため
「新患や自費が増えて経営体力がつくようにするため」は医院のためです
もしここで、
「患者さんに迷惑がかかると嫌だから、人を増やしたいんだ。そのために売り上げをあげよう。」と言われた場合より
「人はだれでも体調が不良になることがある、それなのに今は休むことができにくい。それをいつも気の毒だし、申し訳なくおもっている。そこをなんとか改善するためには、人を増やしたいんだ。
しかし今の収入のままでは増やした人の分の給料を確保できないので、売り上げをあげて人を増やし、その分で病気のときに今より気兼ねなく休める態勢の医院にしていきたいんだ。」
のほうが、やる気になりますよね(^_-)
間違っても「新患、自費を増やすのが医院で働くスタッフの義務だよ。給料はらってるんだから」とは言わないでくださいね。正しいし間違ってはないけど、やる気はあんまり出ないですね。
これからやっていきたいことは
・新患・自費を増やしたい
・スタッフを増やしたい
なわけですが、それが何のためなのか?そしてそれをどういう順番でどのように伝えるかで、メンバーのやる気は変わるわけです。
人は(特に女性スタッフは)、なかなか会社のために頑張るとは思わないもの、しかし院長がすごく自分や自分達のことを考えてくれていて、この人のために頑張るということはよくあります。
人は自分のためにいろいろ考えてくれている人のためには応えようと思うものです。
成功開業医になるためには、この人(院長)のために頑張ろうと思ってもらえる人にならなけばなりません。
そのためには、自分の考えていることをうまく伝えられなければなりません。
うまく伝えるというのは、
「そこまで自分のことを考えてくれるなら、私もこの人に為になることをやろう」と思ってもらいやすい伝え方ということです。
自分は口があまりうまくないとか、伝えるのがヘタでとかいう人ほど、伝えるという勉強や自分なりの研究をしていなかったりします。
歯科医院の院長というのはリーダーなわけですから、医院をどういうものにしていきたいのか指し示さないといけないし、メンバーにそれを共感してもらって協力を得ないといけないわけです。
であれば伝える力をアップするのは、必須だと私は思います。
つまり開業して成功するために、伝える力をつけておかないといけないわけですね(^_-)
さて、それはどうすればよいでしょうか?
私はその先生に、
「まずは、先生が伝えたいことをチーフに聞いてもらって、チーフからのOKがでてから皆に伝えましょう」
チーフスタッフは院長を一番理解している人を選んでいる前提ですから、チーフの共感を得られないスピーチであれば、他のスタッフからの共感はもっと得られません。(ちなみに、院長の一番の理解者ではない人をチーフにしてしまっている場合は、適任ではありません)
伝えたいことを文章に書きおこしたりして明確にし、さらにそれをチーフスタッフや奥さんになど協力してくれる人に聞いてもらい、フィードバックをもとに改善し、共感の得られる話す順番や内容にブラッシュアップするのです。
そしてコレを繰り返していくことが、伝える力をアップするのに必要な準備です。
これは、患者さんへの治療説明、コンサルやクレームに対する説明なども、表現や話す順番で結果が変わるという意味で同じだったりします。
また伝える力をアップするセミナーは、世の中にたくさんあると思いますので、それに参加されるのも良いのではないかと思います
私もいくつかそういうセミナーに参加したことがあります。(年間コースのものもありました)
歯科学生であれば、やはり部活のキャプテンや何かの実行委員長などリーダーを経験し、伝える力をつける機会を多くもつべきです。
そのときに大切なのは、伝える力をあげることを意識して、リーダー務めることです。
キャプテンなら副キャプテンに、部員にむけてのスピーチの練習の相手をしてもらうのもよいですね。
勤務医なら患者さんへの説明や、他のスタッフへの発言など、伝えたいことを院長に相談するときっとアドバイスしてくれるのではないかと思います。
できれば開業する前にこの重要性に気づき、伝える力をつけてから開業に望んでくださいね
その力はそのあと一生自分を助けてくれる力となるはずですので(^_-)
今後も学生・若手歯科医師が成功開業医になるためにやっておくべき事や、知っておくべき事をアップしていくので、注目しておいてください。私のFBを是非友達に紹介してあげてくださいね。
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