今回のお話も前回に引き続き「ピンチはチャンス!」その2
親子継承後の医院経営偏です。
実は私は大学を卒業して2年足らずで、父の他界により医院を継承しました。
父は他界する10年前に喉頭癌を患い、手術をして一命はとりとめましたが、喉頭・声帯を切除しているため、声を失いました(つんくさんと同じですね)その後も闘病を繰り返しながら、医院をやっていたため、私が継承する頃には1日来院者数は8名以下、週に2〜3日しか開けておらず、廃院しかけの医院でした。
私が歯科医師になった頃は、卒後研修制度が始まったばかりで、大学の研修科に残ったものの患者さんの配当はほとんどなく、また自分が少しのんびりした性格のためあまりガツガツと配当を勝ち取ることをしておりませんでした。
つまり歯科治療の技術レベルが上がっていく前に、院長になったわけです。
しかしながら継承した医院の周りにはベテランの先生や、歯科医師として脂ののった30代後半の先生や、満を持して医院の近くに開業された先生がしのぎをけずっておられます。
そんな中で生き残っていかねばなりません。
当時の私には治療技術では勝負になりませんから、「情熱」と「患者さんへのやさしさ」で勝負するしかなかったわけです。(だからこそ、その頃から学術セミナーや患者さんとのコミュニケーションセミナーに行きまくりましたが)
逆に言うと患者さんへの「情熱」や「やさしさだけ」は、絶対に負けないようにしようとしたわけです。
そう!ピンチはチャンスなのです!!
そして患者さんの話をとにかくよく聴き、そして要望に応えられるよう、その時の自分の目一杯で向き合っていきました。
ポイントは、患者さんの話をよく聴いたというところです。
暇な医院だったので、時間だけはたっぷりあったのでとにかく、口を挟まずに患者さんの話を聴くことに徹する…
そうするとどうなったかというと、1人また1人とファン患者さんが増えていったのです。
そんなに真剣に自分の話を聴いてくれて、真剣に自分のことを考えてくれる若い歯科医師に、ほんなら自分の身体をあずけてみようか、治療を任せてみようかと思ってくださったわけです。
そうやって患者さんに育ててもらいながら、少しずつ成長していったのです。
新人歯科医師は、ベテランのように腕で勝負することは、いきなりはできません。
しかし新人でもできることは、「患者さんの話に耳を傾ける事」そして「自分は大切にされているなと思わせてさしあげる事」だと思います。
これだけで少しずつ治療を任せてくれる患者さんが増えていくのです。
ただし、「先生、私の歯よろしくたのむよ」と任せてくださった時にはじめてそれに応える腕がまだないので「何とかしなければ!!」となって技術アップのセミナーにさらに通い出します。
順番はそれでもいいのです。
継承後、このままでは廃院してしまうピンチがあったからこそ、楽天的でのんびり屋の私の尻に火がつき、気がついたら10年間で1000万円以上学術セミナーや経営セミナーに、自己投資してきたのです。
そして、自己投資しつづけたら当然ですが、あとからそれに見合った結果がついてくるわけです。(自己投資は、投資の中でリターンが1番確実)
1日来院者数8人以下だった油谷歯科医院は、1日60人以上患者さんが来院されるゆたに歯科クリニックに育ち、今後も成長を続けていきます。
新人は腕がないから患者さんの信頼を得られないのではなく、腕がないからこそそれ以外の部分を伸ばすチャンスなわけです。
そう「ピンチはチャンス!」改めて今の自分にも言い聞かせたいと思います(*^_^*)
さて、今回は告知があります。
来年(2016年)の歯科医院地域一番経営塾ベーシックコース 第3回のゲスト講師として講演のオファーを岩渕さんからいただきました。
自分も2007年から参加し、そこでいろんなことを教わりながら今があります。
そして自分も成功していつかゲスト講師によばれるような男になって、あの場所で話をしたいと思っていました。
私にとってはあこがれの夢の舞台、つまり自分の夢がまた一つ叶ったわけです。
今回は廃院しかけの親の医院を継いで、経営を回復させていく話を自分の経験からさせていただくつもりです。
実は、親子継承からの経営回復は、新規開業よりもかなり難しいのです。
私はその事を知らずに、まんまとその罠にはまった1人ですが、その事実を知らないまま今苦しんでいる先生もおられると思います。
そして、私の実体験を参考にして、私がうまくいった部分は吸収し、私が失敗した部分は回避し、「あらかじめ知っておく」ことで親子継承の落とし穴にはまらないよう、はまってもはやく抜け出せるように、私の経験を踏み台に早く楽に成功していってほしいと思っています。
私の出番は来年の9月なので、プレゼンをつくるのはまだまだこれから始めるところですが、話させて欲しいことはたくさんあります。
これから親の後を継ぐことになっている先生には必見の内容にしたいと思っておりますので、来年の経営塾に参加してみてはどうでしょうか?